企業がSNSをやるべきか?
「企業がSNS(この記事ではSNS=SNS公式アカウントと定義します)をやった方がいいのか?強化したほうがいいのか?」
ここ数年ずっと耳にします。私自身も、SNSを強化したい、SNSを何とかしたい、という相談を多くもらいます。
結論からいうと、やらないほうがいい企業が多いと考えています。
もちろん、やったほうがいい企業もあるのは事実です。
今回はこの点について自分の見解を述べさせて頂きます。
SNSに期待することはなにか
ありきたりな答えで言うのも恥ずかしいのですが(苦笑)、企業がSNSをやる理由は
目的によってかわってくる
というのが正直なところです。
まず、基本的にSNSは
「ブランディング」や「既存顧客ないし、見込み顧客との関係構築」
がメインとなる目的であったります。とくに後者の役割が大きいと私は考えています。
「じゃあ売り上げがあがらないか?」かというと、そういうこともない。ここは相性のいい業種がある。例えば、店舗などがある業種、飲食店や小売店などはSNSをやることで売上アップが期待できるといえます。SNSを投稿したらお客さんが来てくれることを実感できることでしょう。
また、すでに圧倒的に購入者やファンがいる会社、よく事例であがるスターバックスなどは、何か投稿すれば、それを買いにお客さんが店舗にいくこともあるでしょう。
一方、ECやSaaS系、メーカーは、SNSをやったから売上が上がったとはなかなか言えない。それを見て「買おう」と思う人もいるにはいるが、圧倒的なファン(フォロワー)がいないと、それは難しいと思う。
私自身過去に経験しましたが、それこそ日経トレンディの年間ベストセラーランキングに入るような商品を扱っている会社で、SNSで投稿をしたことはありますが、売上は上がりませんでした。
また、よくSNSの成功事例というと、先ほど挙げたスタバだったり、すでに多くのファン・フォロワーを獲得している企業だったりする。
それだけブランド力がある企業と同じことをやっても、良い結果が生まれるわけがないかなと。
なので、短期的ではなく中長期的に考えて、認知や関係性構築に置くことに目的にするなら、やった方がいいでしょう。
メールなどと違い、情報を提供する必要もないので、ユーザーからすると負担は少なく、ライトに関係性が構築できます。また、SNS自体は多くの方が使っていますし、無視はできない存在です。
しかし、短期的に何かを得たい、特に売上をあげることを考えるようであれば、やらない方がいいです。
きっと「うまくいかないなー」という結果に終わるからです。また、やる場合も、
何をもってよいと判断するか、という効果検証のポイント
は明確にしておいた方がいいです。
SNSでも色々な数値は取得できるので、目的に対して何がどうなったら成功と言えるのか、定性面・定量面の両方を予め設定しておくといいでしょう。
一方、売上を目的とする場合は注意が必要です。
先ほど挙げた、ECなどであれば、ダイレクトで売り上げが増えたということがわかりますが、そうならないケースが多いからです。
また、仮に
売上=投稿したらそれをきっかけに売り上げが増えた
と言う点でも、効果を検証しづらいことが多いです。
そのため、本当に良かったかどうかわかりません。
売上を増やしたいなら、SNS広告のほうがいい
もし売上を上げることを目的にしたいなら、公式アカウントではなく
SNS広告をやった方がいい
場合があります。その方がターゲティングの精度も高いですし、売り上げも伸びるケースが多いです。
また効果も明確にでるので、シンプルに良し悪しを判断できるのも良い点です。
その際「SNSユーザーは広告的なコンテンツを嫌うから、効果的で無いのでは?」という質問もよくいただきますが、これは間違いです。実際に、多くの企業がSNS、特にmeta広告(旧facebook広告)へかなり出稿しています。ECサイト、人材系、BtoB企業、etc.その数はかなり多いです。
ちなみに「SNS」と一括りにされてしまうのですが、企業がもつ公式アカウントとSNS上に広告を出すことは似て非なるものです。ここは混同しないように注意が必要です。
話をもとに戻すと、SNSをやるべきかどうかについては、
- 実現したいゴールはなにか
- それを達成するために、何がどういう状態になっていたらいいのか
- それを数値に当てはめた際、どの数値をみるべきか
ここを考えたうえで、やるかやらないか判断すると良いと思います。
ご参考いただければ幸いです。