“音”でまちを再発見!習志野発・体験型ワークショップ「ジモタビ」第2回レポート

「地域の魅力って、意外と足元にあるのかもしれない」
そんな気づきをくれるのが、習志野市で始まった体験型ワークショップ「ジモタビ」です。 “地元を旅する”をテーマに、オノマトペ(擬音語)を切り口にまちを歩くこの取り組み。
今回はその第2回として、習志野市谷津エリアを舞台に開催されました。
主催チームの一員として関わった筆者が、当日の様子や参加者の声、まち歩きで見えてきた景色などをレポートします。
1. ジモタビとは?習志野で広がる“音のまち歩き”体験
“ジモタビ”は「地元を旅する」をコンセプトにした、まち歩き型のイベント。
特徴はなんといっても、「音」をテーマにまちを体感するというユニークなアプローチです。
そこで使うのが、習志野市発のご当地ボードゲーム「フォトマトペ習志野」。
オノマトペ(擬音語)と風景を結びつけながら、感性をひらき、まちを見る視点を少しずつ変えていきます。
イベントの流れはとてもシンプル。
- ゲームを体験して“音の視点”をインストール
- チームや個人でオノマトペをテーマにまちを歩き、写真を撮影
- 撮影した写真を共有し、それぞれの視点を語り合う
第1回は実籾エリアで開催され、今回は谷津エリアでの開催(第2回)となりました。
同じ習志野市内でも、エリアが違えば見えるものも、感じることも変わります。
この記事では、主催チームの一員として関わった私の視点から、ジモタビ第2回(谷津編)の体験をレポートしていきます。

2. 主催チームとして関わる理由と、第2回への期待
私がジモタビに関わるようになったのは、地域づくりや地方創生といったテーマにもともと関心があり、その中でジモタビを主催していた長島さんとのご縁(フォトマトペについて話を聞いていたら、アニメで意気投合という流れ)。そこからジモタビの趣旨に共感し、主催チームの一員として関わらせてもらっています。
まちの魅力って、“伝える”だけじゃなく“感じてもらう”こと、“体感”してもらって初めて届くものがある。
ジモタビのように、ゲームやリアルな体験を通じて、人とまちの距離が縮まっていくプロセスにすごく面白さを感じています。
今回の第2回(谷津編)では、前回とはまた違った場所・参加者での開催ということもあり、「どんな視点や発見が生まれるのか」「同じ仕組みでも、まちの対する感じ方・見方はどう変わるのか」を楽しみにしながら臨みました。
個人的には、知らないまちを散策(走るふくめて)することがもともと好きなので、谷津というエリアを、音とともに歩くこと自体がとても楽しみでした。
3. 会場は谷津・ecotone。駅前から始まる“音の旅”
第2回ジモタビの会場は、習志野市谷津駅前にあるセルフ喫茶「ecotone」。
24時間営業でセルフ式のコーヒーが楽しめるお店です。
広さはそこまでありませんが、アクセスがよく、集合場所としては便利な立地でした。
開催日は2025年6月29日(日)。
「暑すぎない時間帯にしよう」と思って選んだ午後3時スタートでしたが、この日はまさに“夏!”という暑さで、15時でもしっかり汗をかく気候。暑さだけはどうにもならないのが野外で行うイベントの難しさ。
それでも、予想以上に多くの方にご参加いただき、とてもありがたい気持ちに。
ただ、スペース的にはギリギリの人数感で、運営側としては反省と次回の課題となりました。
うれしかったのは、以前の仕事の同僚が参加してくれたり(十数年ぶり?の再開)、別のイベントで出会った方も参加してくれたこと。
地域の中でゆるやかに人がつながっていく流れが感じられた瞬間でした。
会場で簡単に趣旨と流れを説明したあと、いよいよ「フォトマトペ習志野」のゲーム体験へ。

4. 「フォトマトペ習志野」で、音と写真をつなぐ視点をインストール
今回使用した「フォトマトペ習志野」は、オノマトペ(擬音語)と写真をマッチングさせるご当地ボードゲームです。
実際に使ったオノマトペの一例としては、
- 「ぬくぬく」
- 「キュンキュン」
- 「ギラギラ」 などがあります。
ゲームのルールはとてもシンプルで、少しの説明だけで大人も子どももすぐに理解できるのが魅力。参加してくれた方たちの飲み込みが早く、 「やったことあるの?」と思うくらい楽しんでいけました。
“音”に合う写真を、手持ちのカードの中から選ぶというシンプルな行為なのに、 「なんでこれを選んだの?」と聞くと、それぞれの人なりの理由や視点がちゃんとある。 知っている場所・知らない場所を含めて、意味づけや想像が働くこのプロセスがすごく面白いんです。
結果的に、これがアイスブレイクにもなり、参加者同士が自然と会話しながらまち歩きへのテンションが高まっていきました。

5. チームごとに“音”をテーマにまちへ出発
今回のまち歩きは、5〜6人ずつのグループに分かれての実施となりました。 それぞれのグループで選んだオノマトペをテーマに、谷津エリアを自由に散策。
例えば、あるグループでは「ぐさっ」というテーマから、串に刺さった焼き鳥を撮影。 また別の参加者は、「ごつごつ」から、ごつごつとおしりが痛いすべり台を撮影。 さらには、「くねくね」をテーマに公園にあったくねくねとした蛇口をみつけて撮影するなど、 まちの見方がガラッと変わるような“視点の変換”が各チームで自然に起こっていました。
特に今回は、谷津に商店街があり、その雰囲気がとても印象的でした。 例えば、子どもたちが焼き鳥を買ってその場で食べている光景が見られたり、 どこか昔ながらの駄菓子屋を思い出すような、まちの温度を感じる風景も。

また、私自身は「読売巨人軍発祥の地」など、これまで知らなかったスポットにも訪れ、 「こんな場所があるんだ!」と驚かされました。
普段なら見過ごしてしまいそうな道端の花や建物の装飾、商店街の看板など、 音”というフィルターを通すことで、小さな発見が次々と生まれていく。
それは子どもにとっても、大人にとっても同じだったと思います。

6. 写真を通じてシェアする、まちの新しい一面
ecotoneに戻ってからは、各自が撮影した写真の中から1枚を選び、 ローカム習志野のWebサイト「習志野スレッズ」上にアップ。
それをもとに、参加者同士で写真を見ながらシェアの時間を持ちました。
「これって、どういう音だったの?」「なんでこの場所を選んだの?」
そんな問いかけを交わすことで、自分にはなかった視点に気づかされたり、 他の人がまちをどう見ていたのかを知るきっかけにもなりました。
ある場面では、子どもの発想に大人たちが「なるほど〜!」と納得して場が盛り上がる場面も。
イベントが終わったあとも、自分のまちを見る目がちょっと変わるようなきっかけが、 この写真共有には込められていたように思います。

7. アンケートから見えた参加者の声
イベント終了後のアンケートでは、こんな声が寄せられました。
- 若い方が中心になり、小規模ならではのボードゲームで地域の魅力を発見して、実際に街を見て回るというのが地域活性化の取組として素晴らしいと思いました。
- 子どもが楽しんでいた。
- 習志野市でこのような活動をしていることは初めて知りました。ボードゲームも地元感満載でよかったです。わたしも習志野地元民ですがまだまだ知らないこといっぱいありそうです。
- フォトマトペ習志野自体がコンパクトなエリアに収まってる企画なので、ジモタビとの親和性もあると感じました!
- etc
こうした声を見て、“まちと関わるきっかけ”や“視点を変える体験”が
確かに生まれていたことを実感しました。
8. ジモタビは続く。習志野から広げたいまちの関わり方
印象的だったのは、みんなが楽しんでくれたこと。
地元の方が多かったにも関わらず、知っている場所でも新しい発見があったり、 「こんな視点で見たのは初めてかも」という感想が出たのが、とてもうれしく感じました。
同じ市内でも、エリアによって空気感や風景が違う。 そして、視点を変えるだけで、いつもの風景がちょっと違って見える。 そんな“視点の変化”が、今回も各所で生まれていたと思います。

9. 次回予告とお問い合わせ
そしてもちろん、ジモタビはこれで終わりではありません。
次回の開催は2025年10月5日(日)を予定しています。
場所は今回とはまた異なる習志野市の津田沼エリアを予定しております。。 また新たな“音のまち歩き”が生まれる予定です。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください!
ジモタビに関するご相談や、地域イベントに関するお話、 また他地域での展開などに興味がある方は、ぜひこちらからご連絡ください。
